わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
わたしたちはたいてい生まれてくる赤ちゃんの話や、妊娠中の食事のことなど、いわゆる妊婦同士の話題で話に花を咲かせた。


しかし美沙と仲良くなるにつれて、わたしは一つだけあることが気になった。


美沙は一切、赤ちゃんの父親の話をしなかったのだ。


おそらく話したくないのだろうと察したわたしは、そのことにはあえて触れないようにしていた。





美沙と知り合ってから一ヶ月。


わたしは美沙を家に招いて、一緒にお茶を飲んだ。


両親は仕事でいなかったので、家の中にいるのはわたしたちだけだった。


いつものように生まれてくる赤ちゃんの話題で盛り上がる。



その時、わたしの携帯電話が鳴った。


晃司くんからだった。



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