わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
「彼氏は大学生だったの。同じバイト先で知り合って・・・。たまに強引なところもあったけど、好きだった。」

美沙は話した。


「でもね、今思えば、あたしは彼氏のこと信用しすぎていたの。彼氏がすべてだって思うほど好きだった。

だから彼氏に言われることは、断ることなんか想像できなくて、何でも引き受けていた。ビールが欲しいって言われれば買いにいったし、お金を貸してほしいって言われれば普通に貸してた・・・。

お金をなかなか返してくれないことも、ただ単に今はお金が足りないんだろうって思って許してた・・・。

だからね、彼氏から生理の前と後は妊娠しないから、生でエッチしたいって言われて・・・、万が一子供ができたら結婚すればいいって言われたときも、素直に信じちゃったの・・・。」



「そう・・・。」



「それで避妊しなかったら、ほんとに妊娠しちゃって・・・。妊娠したとき、あたしは本気で彼氏と結婚できるって思ったの。

彼氏が嘘つく人なんて思わなかったから・・・。だから喜んで、赤ちゃんができたって報告したの・・・。

でもね、彼氏は全然喜んでくれなかった・・・。最初から、おまえなんかと結婚するつもりなかったって言われて・・・。子供を下ろさないとあたしとは別れるって言われたの・・・。

あたしはどうしたらいいのか分からなかった。彼氏と別れたくないけど、赤ちゃん下ろすのもイヤだった・・・。そんなとき、偶然彼氏のアパートに行ったときに、彼氏が友達に言ってる言葉を聞いちゃったの・・・。」
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