わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
「ふふふ、また言ってる。」

わたしは笑った。


晃司くんは相変わらず、何でも思っていることは、口に出して言ってくれる。


それがわたしは嬉しい。



「おれは真面目に言ってるよ。」



「うん。晃司くん、どうもありがとう。」



「おれ、マジで、由衣ちゃんのこと大好きだから。今すぐ結婚できないのが残念だよ。」


晃司くんはわたしの肩に腕を回して、頬にキスをした。


それからわたしのおなかに向かってこうささやいた。



「キミのことも大好きだよ。」



「あら、生まれる前から言っちゃって。」

わたしはおなかに手を当てて言った。



「赤ちゃんだってさ、おなかの中にいるときから、そう言われたら嬉しいだろ?」

晃司くんは言った。



「うん。お父さんに会いたくなって、赤ちゃんがちょっと早めに出てきちゃうかもね。」

わたしは微笑んだ。



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