わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
その時、わたしの唇に、そっとやわらかいものが触れた。


わたしはびっくりして、目を開けた。


すぐ目の前には、晃司くんの顔があった。


晃司くんは真赤になった。わたしも真赤になった。


心臓がどきどき鳴っている。



初めてのキスの味はレモンとよく言うけど、わたしの初めてのキスはチョコレートの味がした。





青信号になり、再びバスが走り出す。



バスから降りるまで、わたしは晃司くんの顔をまともに見ることができなかった。



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