わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
でもそれ以上のことは、まだしたことがなかったし、わたし自身、考えたこともなかった。



わたしは晃司くんと一緒にいられれば、それだけで満足だった。


でも晃司くんの方は、ちょっと違ったのかもしれない・・・。






3月下旬。


高校の終業式のあと、晃司くんはわたしの家に寄った。


家にはたまたま誰もいなかった。


わたしたちはいつものように、部屋でおしゃべりしたり、飲み物を飲んだり、わたしが絵を描いているところを、晃司くんが眺めたり、そんなふうにして気ままに過ごしていた。




絵を描き終えると、となりに座っていた晃司くんが膝の上に頭を乗せてきた。


わたしは、晃司くんの髪をなでた。


これはいつものこと。



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