わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
翌日、わたしは再び美里と梓と一緒に産婦人科医院へ行った。


二人はわたしのことを心配して、少しでも力になってくれようとしている。





わたしは不安な気持ちのまま、診察室に入った。


奇妙な形の椅子に座って、内診を受ける。


院長先生は女の人とはいえ、やっぱり下半身を見られるのは恥ずかしい・・・。



恥ずかしい気持ちを抑えながら、内診を受けていると、上半身と下半身をしきっているカーテンの向こうから、院長先生がこう言った。


「赤ちゃんがいますよ。」



それは、妊娠が決定的であることを意味していた。




わたしは新たな命の誕生を、とても喜べる心境ではなかった・・・。


16歳の妊娠・・・。


思いもよらなかった妊娠・・・。


どうすればいいのか分からない・・・。


ただただ途方に暮れ、涙がこみあげてくる・・・。







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