わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
「いつから付き合ってるの?」

梓はたずねた。



「半年くらい前から。」

わたしは答えた。



「晃司にはこのことは、まだ話してないの?」



「まだ話してない・・・。」



「じゃあ、今から晃司をここに呼ぼう。」



「えっ・・・?」

わたしは思わず、梓の顔を見た。



「これは由衣だけの問題じゃないよ。当然、まともに避妊しなかったあいつにも責任あるんだし、二人でちゃんと話し合わないと。由衣、ちょっと携帯貸して。」


梓はわたしの携帯電話を受け取ると、晃司くんの電話番号を探し出し、電話をかけ始めた。


梓はいつも思い立ったら、即行動をする。



すぐに晃司くんが電話に出たようだった。



「もしもし・・・、晃司?ちょっと、わたしはあんたのハニーじゃないよ!わたしは梓。由衣の携帯借りてかけてんの。

晃司、ちょっと今から、由衣の家に来て。重大な話あるから。」


梓は晃司くんにそう告げると、電話を切った。

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