わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
涙がこぼれそうになって、わたしは上を向いた。


空には、月がかかっている。


おなかの中の赤ちゃんのためにも、お母さんが泣いてはいけないよね・・・。


お母さんはもっと強くならなきゃね・・・。


絶対に、お母さんが守ってあげるからね・・・。


みんなを絶対に説得してみせるから・・・!





その時、携帯電話が鳴った。


晃司くんからだった。



「由衣ちゃん、親にはもう話した?」

晃司くんが電話越しにたずねた。



「うん。反対されちゃった・・・。」

わたしは答えた。



「やっぱりな・・・。うちも同じだよ。」

ため息交じりに晃司くんが話す。



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