わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
「ここに、おれたちの赤ちゃんがいるんだよね。」



「うん、そうだよ。」



「何か、信じられないな。こんな小さなところに、人が一人、入ってるなんて・・・。」



「今日、産婦人科で赤ちゃん見たんだ。すごく小さかった。でも一生懸命生きてて、毎日少しずつ大きくなってるの。

妊娠したって知ったとき、すごく不安でたまらなかった。どうしたらいいのか分からなくて・・・。ただただ不安でたまらなかった・・・。

でもこの目で赤ちゃんを見たとき、命ってすごいなって思えてきたの。絶対に、この子に生まれてきてほしいって思ったの。絶対に、この子に会いたいって思ったの。

だから晃司くんが産んでくれって言ってくれて、本当にわたし、嬉しかったんだよ。一緒に育てようって言ってくれて、すごくすごく嬉しかったんだよ。」



「当たり前じゃん!」

晃司くんは明るく言った。

「おれたちの赤ちゃんだよ。おれたちの愛の結晶だよ。おれも赤ちゃんに会いたい!
あのさ・・・、おれは由衣ちゃんみたいに、マンガ家になりたいとか、大きな夢はないけれど・・・、でも一つだけなりたいものがあったんだ。」



「晃司くんがなりたいもの?」

わたしはたずねた。


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