失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
こんな状態で放っておかれたら
君…苦しいだろう?
そんないやらしい身体で…
両手は使えないんだから
興奮させた責任は取るから
…出すんだ
僕は点滴の針で拘束されたまま
静かに彼の愛撫に狂った
何度も彼の口の中に出させられた
傷だらけの腕で
彼を抱きしめたかったけど
両腕が動かせないまま
僕はなすすべもなく彼に身を委ねた
手錠も良いが…こんな拘束も良い
そう言いながら彼は
最後に僕の傷の写メを撮った
カルテの添付用と
プライベート用を撮り分けて…
今夜のオカズだ…と言って
彼は楽しげに微笑んだ
また表に出せない画像を撮られた
不安げな顔をしていると
彼は携帯をたたんでしまいながら
大丈夫…ただの記念だ
脅迫したりしないよ…と言った
私が誰かから愛されている
その証しだ
永久保存にしよう
僕はまた泣いた
彼は
バカだな君は
と言ってまたキスした
そっと…僕の額に