失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】



スーツのズボンが床に落ちる音

僕の唾液で濡れる彼の指が

後ろの割れ目に滑り込む

「うっ…う…」

「脚を開くんだ」

「やめ…て…」

「やめないぞ」

無理やり彼の膝が僕の脚の間に

押し入れられこじ開けられた

「嫌がってるな」

「意地悪…」

「慣れただろう?」

広げられたとたんに

熱くて固いモノが

いきなり入ってきた

「あっ…そんなっ」

「たまらないか…?」

「いっ…いきなり…キツいよ…」

「ああ…いつ見ても良いな…君の苦

しむ顔は」

いつものサディスティックな彼

「うあっ!」

「思い出す…君を虜にしてた日々を

あの頃は怒りと復讐に燃えていた

でもいつの間にか苦しむ君の虜にな

っていた…なぜ逆転したのか自分で

も実はよくわからない…」

僕の腰の奥に根元まで深く

太くて固いものをうずめて

彼は耳元で囁いた

「は…んっ」



キツいのに…もう溶けていた





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