失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
僕は泣きながら彼に許しを求めた
何度もごめんなさいと繰り返して
それは止まらなかった
謝るたびに僕の身体は震え
溶けて痺れるほどに感じていた
彼はそれを止めなかった
僕がごめんなさいと言う度に
彼は固さを増し
激しさを増した
はだかに剥かれ手錠で繋がれる
身体中の傷がまだ赤い痕を残し
彼は恍惚とした顔でそれを眺めた
また深く入れられる
彼は入れたままその傷を唇と指で
くまなく弄んだ
彼が耳元でささやく
「この両腕の傷は私のものだ…」
「ああっ…」
それを聞いたとたん
頭の中が真っ白になり
僕ははじけた
彼の白い腹部に僕の体液がしぶき
それを見た彼は深く吐息をついた
「すぐ…私も…行く」
彼が喘ぐ
その声が愛しい
僕もまた高まる
「だめっ…また…いっちゃう!」
「何度でも…いくんだ…ほら…」
耳を甘く噛まれると
もう止まらない波が襲ってきた
「いやぁぁぁっ!」
「いくっ…」
同時に彼が低くうめいた