失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
歌うように
微かに風
そして雨
明け方に冷たい雨
でも窓を開けてみる
黒い雲の隙間にわずかに
朝の光
東はまだ雨に濡れてない
言葉もなく言葉のない会話
あなたに
振り向くとほんの少し
微笑んでる気がする
ああ…伝わってるんだ
胸の中に込み上げるもの
でも静かに穏やかに
それなら
彼にキスした
唇の温かさ
それが答え
幸せなんだ
こんな中でもそんなふうに
思えてしまうんだ
僕が変なのかな
それでもいいかな