失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】



そして僕は

男のペットになる

ことの意味を知る




アルコールで酔いつぶれた

僕の耳元で携帯が鳴った

モウロウとした頭が

うっすらとそれを認識した時には

既に切れていた

僕は手探りで携帯を握り

着信履歴を開けた

男からの電話…

すぐに折り返す

呼び出し音が耳に響く

男はすぐに出た

「電話…くれたんだ…」

「いたのか…お前来れる?」

「ああ…すぐ行けるよ…」

「来いよ…してやるから…来いよ」




珍しくホテルに呼び出された

1時間後

僕はその部屋にいた




すぐに何か飲まされる

ジュースに混ぜられたなにか

「欲しかったんだろ?」

「うん…」

その間にも後ろから身体中触られて

「あっあっ…」

口の端からジュースが流れて

「もうダメなのかよ…かわいいな

お前って…敏感過ぎんのがたまん

ねぇよ」

ベッドに押し倒される

男が手から空ビンを取り上げて

ベッドの下に置く

その間もキス

唇を割って舌が奥に入ってくる

いつもより激しい男の愛撫に

身体がすぐに熱くなる

「なんで…すごい…今日」

「えっ?…ああ…昨日やり足りなか

ったからな…気持ちいいか?」

「あ…あ…いい…」

「またあとで…あれをやる…あれを

溶けるヤツをして…狂わせるよ」

それを聞いただけでイキそうになる

「だから…もっと狂えよ…」

「めちゃくちゃに…して…」

僕はもう耐えきれず

男の腰に自分の硬さをこすりつけて

男を求めて喘いでいた





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