失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
「さかりのついた犬みたいだな」
「ペットに…してくれるんでしょ?
僕をつないで…いつも抱いてくれる
んでしょ?」
男は薄ら笑いを浮かべて
僕の腰を両手で鷲掴みにして
自分の腰にぐりぐりと押し付けた
「んんっ!」
「良いのか?」
「いい…いい…よ」
「飼い主の言うこと聞けよ」
「ああ…聞くか…ら…狂わせ…て」
男はまたニヤッと笑った
「まだ…まだ」
「いやぁっ!…もう焦らさないでっ
してっ!」
「ダメだよ…本当に俺の言うこと聞
くのかな?」
「聞くよ…なんでもするから…お願
いだから…してよ…」
「逆らうと…もう逢わねぇぞ?」
「いやだ…逢って…するから…する
からぁ…」
男は僕の足を開いた
待てないくらい疼いて火照る粘膜に
またなにか押し込まれた
「はうっ!」
だがいつものように
後ろから犯される気配がない
少し経つと
またあのたまらない感覚が来た
「ああ…あ…あ…」
僕が変わるのを確かめたように
男は笑いながらスッと身体を起こし
「少し待ってろよ」
と言って自分の服を直し
いきなり部屋を出て行った