ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
軽くため息をついてメールを開いた。

水嶋と一緒に楽しんでるって内容のメールだと思っていたのに、予想に反してその題名は『アリエナイんだけど』と怒りマークがいくつも並んでいた。


本文にざっと目を通すと約束したファミレスに誰も現れないらしい。

水嶋も八木原くんも仕事が終わらなくて残業だって。


文面にはダイナマイトのマークや怒っている顔のマークがこれでもかってくらいに並んでて、リアちゃんの怒りのボルテージを示していた。

だからリアちゃんには悪いけどぷっと笑ってしまった。


なんだ。

自分だって残業なんじゃん。


私に週末を楽しめって言っておいて。


もっとも、誰でもできる仕事を押し付けられている私と、企画でバリバリ働いてる水嶋達とじゃ違うけれど。


総務と企画じゃ階が違うけれど、水嶋も同じこのビル内でまだ働いている。

そう思うとさっきまで重苦しかった気持ちは少し軽くなった。


それでも仕事量が減るわけじゃないから、いつも通り私は書類を仕分けたりデータを入力したりとせっせと与えられた仕事をこなした。
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