ラッキービーンズ～ドン底から始まる恋～
頭上から、隕石
◇◇◇

憂鬱な月曜日だった。


週明けっていうのは大抵憂鬱なものだけれど、今日はそれに拍車がかかっている気がした。

いつもの満員電車なのに心なしか酸素がいつもより薄い気がして。


会社についてロッカーで鏡をチェックすると、メイクの崩れもひどい気がした。

ため息をひとつついて軽くメイクを整えると自分のデスクに向かった。


隣の席のリアちゃんはまだ出社していなくて、いつも通りに池上さんに仕事を言いつけられる。

本当は急ぎのお使いじゃなかったけれど、パソコンを立ち上げるとメールのチェックもしないまま席を立った。


そんなの現実逃避のひとつにすぎないって分かってる。

そしてそれが意味のないことだってことも。


だって同じ部署で隣の席で働いているリアちゃんと顔を合わせないなんてことは不可能なのだから。


だけどさ。

リアちゃんと顔を合わせないように向かったお使いの先が受付っていうのはどうなのよ。


リアちゃんは受付を通って会社に来るんだから、これじゃバッタリ出会う確率めちゃくちゃ高いんじゃないの。
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