ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
婚約がダメになっちゃってから地元には帰っていない。

てかお父さんに帰ってくるなって言われてるし。

私も平気な顔して友達に話せる心境でもなかった。


それなのにこんな形で地元に噂が広まってしまうのは避けたい。

酔っててもそれぐらいの分別は残ってて欲しい、昨日の私……!


「身の上話ってなんかあったわけ?」

「な、何もないよ……!」


きょとんとこっちを見る水嶋の顔を見て、私は何も話していないことを確信してほっとした。


……だけどじゃあなんで水嶋と私がベッドを共にするわけ?


新たに浮かぶ疑問に首をひねると、水嶋は大きく伸びをしてベッドから降りようとした。

ハラリと肌蹴るシーツに何気なく目をやって……。

< 17 / 226 >

この作品をシェア

pagetop