ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「なんで遊ぶの?」


直接的な質問にかあっと頭に血が上った。

自分で言っておきながら水嶋にそういう女と見なされたのがショックだなんて自分勝手もいいところ。

だけどその質問はそっくり水嶋に返したい。


私のことを真剣に心配してくれて、叱ってくれるのに。

なんで、遊びで寝たりするの?


「男にちやほやされたいの? 可愛がって欲しいの?」

「……覚えてない」


水嶋と寝たときの記憶は本当にない。

だから私にはこれしか答えようがない。


水嶋が立ち上がる。

この間と同じく帰るのかと思った。

さすがに呆れられたんだと思ったから。


だけどまるでデジャヴのように水嶋は私に近づいてきて私の腕を取る。

腕を引かれて立ち上がるまで私はされるがままだった。
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