ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
そう、このキス……。


八木原くんとしたときは違和感しか感じなかったのに、水嶋とのキスは気が遠くなりそうに力が抜ける。

……気持ちいいキス。


それはきっと私の心が伴っているから。


――好き。

水嶋が好き。


ねだるように水嶋の舌を追いかけて自分から絡めると、腰に回った手に力が入って強く抱きしめられた。


角度を変えて重なる唇に。キスの水音に。

もうどうでもいいって思ってしまう。


これが遊びでもそうじゃなくても。

私には気持ちがあるから。


もっともっと水嶋に触れたい。


彼の背中に手を回すと、それが合図みたいにスイッチが入った。


部屋の電気も消さずにベッドにもつれこむ。

もどかしそうに私の服を脱がす彼の手にまで、私を求めてくれるようで嬉しいと感じてしまう。
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