ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「き、きゃあああっ」

「なんだよ」

「かっ、隠して!」


水嶋は素っ裸だった。

パンツくらい履いてよ、とシーツで自分の顔を隠して視界を遮ると、「昨日見たじゃん」とアッサリ返された。


……覚えてないもん。


水嶋の裸なんて覚えてない。


覚えてるのはすっごく優しい指使いと……。

甘い吐息の記憶が蘇ってきてぼぼっと火がついたように顔が赤くなるのが分かった。


あれが水嶋とは認識してなかっただけに。

知り合いだと分かった今はすっごく微妙だ。


だってすごく気持ち良かった。

一瞬のまやかしかもしれないけど、あの瞬間確かに満たされた。
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