ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
こんな気持ちよさをあの夜も体験したのかもしれない。

あのときもこんな風に可愛がってくれんだと思う。


だからお酒の力で記憶が失くなっても、満たされたことだけは覚えてた。


私をベッドに押し付けて水嶋が上から私を見下ろす。

それが恥ずかしくて顔を横に背けたら頬に手を添えられて上を向かされた。


水嶋と目が合う。

少し切なげに細められた瞳にドキンと胸が高鳴る。


「……ハ、ヤタ?」

「……そんな顔、アイツにも見せた?」


――アイツ? って……。

誰?


光浦さん……?


私の複雑な表情を読み取ったのか、水嶋は自嘲気味にハッと笑った。


「らしくねえな。俺」

「……」

「もっと、乱れた顔見せて」

「……んっ」
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