ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
事実を知らない友達の推測に上がったり下がったり。

片想いは忙しい。


梅酒サワーの缶をグッとあおってゴクゴクと飲み干した。


「メイ~、飲みすぎは……」

「分かってる、もう止める」

「お、偉い、偉い」


ホナミが私の頭を撫でてチーズを一切れ口に入れてくれた。

モグモグとそれを食べて缶を置いた。


自分を可愛がるってどういうことかまだよく分からない。

だけどもうお酒に飲まれたりすることはしない。


「そうだ、水嶋さんの彼女ってメイの地元の娘なんでしょ?」

「……みたい」

「地元の友達に探り入れてみればいいじゃない。どっかで繋がってるもんでしょ」

「……そんなの」


どっか、どころかすぐに繋がりそうだ。

それぐらい私達は近い距離にいた。
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