ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
一夜のあやまち、なんて軽蔑してたけど。

自分がそんな女だったとは今でも思いたくないけど。


してしまった行為自体に嫌悪感はなくて、

そしてそのことがなんだか怖くなった。


「飯食うか」


私が悶々と考えてる間に水嶋は私のリクエスト通り、Tシャツとジーンズを身に着けてくれていた。

細身のジーンズが彼の足の長さを強調して、やっぱスタイルいいんだなあと思った。

思えばあの頃から顔は小さいくせに背が高くてモデルみたいだと誰かが言っていたのを思い出した。


水嶋が服を着てくれたことは嬉しいけれど、そうなると私ひとりが裸ってことになって、それはそれで恥ずかしい。


「い、いい。いらない」


仲良く朝ごはんなんて食べてる間柄じゃない。

昔の同級生だって分かったからってハイ、そうですかってフツーになんて過ごせない。

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