ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「ケホ……ッ」

「ちょっとヒナ、大丈夫!?」

「だ、大丈夫。ちょっと変なとこ入った」


モモと会話しながらも私の視線は声の主、ヨウコちゃんに釘付けだ。

大きく胸元の開いたピンク色のニットを着て、ゴージャスに巻き髪を盛っている。

そういえば、高校のときも水嶋の周りにいた子だった。


「やだよ。ヨウコ中身オッサンじゃん」

「ひっど~い。こんなにいい女フェロモン出してんのに!」


かわす水嶋にホッとしながらも、水嶋の腕に絡みつくヨウコちゃんが気になって仕方がない。

ああ、そんなに胸を押し付けないで……!


そうだった。

高校の頃だってそれなりにモテたはずの水嶋だから、今この場で彼を狙ってる子がいたって全然不思議じゃないんだ。


ライバルだらけ……!?


「今は彼女いないんでしょー。何年待ってると思ってんの」


ドキン。


核心に触れるヨウコちゃんの声に身体が固まった。
< 199 / 226 >

この作品をシェア

pagetop