ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
どこのホテル行くんだって散々からかわれたけども。


居酒屋の前で二軒目に向かう皆を見送った。


「んじゃ、行くか」

「え、行くってどこに……?」


まさか本当にホテルに!?


私の思ってることがそのまま顔に出ていたのか、水嶋はプッと吹き出した。


「なにあいつらの言うこと真に受けてんの」

「……だ、だって」


なに、やっぱり冗談で彼女だなんて言ったの?

もうわけわかんないよ。


「家だよ。俺ん家」

「え!? だって実家でしょ!?」


実家をホテル代わりになんて使えないよ!


「クッ……。日向マジでウケるんだけど」

「え!?」

「犬だよ。あんときの子犬。見に来るって言ってたじゃん」

「……あ、うん」

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