ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
◇◇◇
つくしは本当におじいちゃん犬になってしまっていた。
おぼろげな記憶の中よりもずっと大きくて毛も長い。
だけど真っ白なその毛は外で飼われているのにきれいなままで、きちんと手入れをしてもらっていることがすぐに分かった。
水嶋を見るとワンと大きな声で嬉しそうに駆け寄ると足元に座った。
水嶋も嬉しそうに体を撫でている。
そんな二人を微笑ましく見ていた。
つくしはもちろん私のことを覚えてはいないと思うけれど、「おいで」と言うと大きな体で飛びついてきた。
「こら、つくし。日向の服が汚れんだろ?」
「いいよ、ちょっとくらい。ねー、つくし」
そうしてじゃれていると、つくしの鳴き声で気づいたらしい水嶋のお母さんが、玄関から出てきた。
「あら、ハヤタ。お客さんなら上がってもらってよ。そんなところにいたら寒いじゃない」
水嶋とよく似た目元だけれど、優しくて可愛いお母さんといった印象だった。
思わぬお母さんとの対面にドギマギして頭を下げた。
「は、はじめまして。日向芽生です」
つくしは本当におじいちゃん犬になってしまっていた。
おぼろげな記憶の中よりもずっと大きくて毛も長い。
だけど真っ白なその毛は外で飼われているのにきれいなままで、きちんと手入れをしてもらっていることがすぐに分かった。
水嶋を見るとワンと大きな声で嬉しそうに駆け寄ると足元に座った。
水嶋も嬉しそうに体を撫でている。
そんな二人を微笑ましく見ていた。
つくしはもちろん私のことを覚えてはいないと思うけれど、「おいで」と言うと大きな体で飛びついてきた。
「こら、つくし。日向の服が汚れんだろ?」
「いいよ、ちょっとくらい。ねー、つくし」
そうしてじゃれていると、つくしの鳴き声で気づいたらしい水嶋のお母さんが、玄関から出てきた。
「あら、ハヤタ。お客さんなら上がってもらってよ。そんなところにいたら寒いじゃない」
水嶋とよく似た目元だけれど、優しくて可愛いお母さんといった印象だった。
思わぬお母さんとの対面にドギマギして頭を下げた。
「は、はじめまして。日向芽生です」