ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
リセット
水嶋が出て行って数秒、部屋に一人になったことを確認すると盛大なため息が出た。


「何やってんだろ、私……」


シーツで体を隠しながら、下に散らばっている服をひとつずつ拾って身につけた。

この服を全部水嶋に脱がされたのかと思うと、また顔の熱が上がる。


地元の知り合いなんて関わりたくない度No.1なのに。


服を全部着ても部屋を出て行く気にならなくて、ベッドの上で正座をしてじっとこれからのことを考えた。


あの様子だと水嶋は慣れていそうだ、と思った。

女の子と一夜限りのこういうの。


相手が知り合いだから微妙だと思ってるわけでもなさそうで、彼の態度はどこまでもナチュラル。


私に特別な感情があるとかそういうことはもちろんない。

私だって、水嶋のこと嫌いじゃないけど特別に好きだったわけでもない。

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