ラッキービーンズ～ドン底から始まる恋～

「だってさ……。やっぱ嘘はいけないよ。水嶋はリアちゃんやヨウコちゃんをかわしたくて、軽い気持ちでついたのかもしれないけど、それで傷つく人だっているわけだし……」


それはリアちゃんやヨウコちゃんのことを指して言った言葉だったけれど、少なくとも私も傷つく。

人前では彼女って言っておいて、二人っきりのときは遊びだって言うなんて。


「水嶋がそんな人だなんて信じられないけど」


最後のは独り言だったけれど、口に出してしまっていた。

水嶋は心外、とでも言うようにわざとムッとした表情をして私に近づいてきた。


「な、何？　……イタッ！」


そして軽くデコピンされる。


「お前ほんとに何も覚えてないのな」

「はい!?」

「記憶失くすほど飲むなよ。飲むと男と寝るクセは直せ」

「はいぃ!?」


言ってる意味が分かんない。

いや、前半は分かるけど！

飲むと男と寝るクセだって!?