ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「心外なんだけど!」


額を押さえてキッと顔を上げて水嶋を睨みつける。


「私、酔ってなかった!」

「は?」

「確かに最初の時は酔ってたし、2回目だって水嶋は遊びだったかもしれないけど……、私は酔ってもいないし、遊びでもなかった!!」


確かに1回目は酔っていて覚えていないから、なんと批判されようと言い訳のしようがない。

だけど2回目は違った。

私は真剣な思いで水嶋に抱かれたのにそんな風に言われるなんて……。


好き、なのに。


「あのときお酒なんて飲んでないじゃん。なんでそんなこと言うの?」


最後の方は泣きそうで鼻声になってた。

同意して行為に及んだことで、私の気持ちは水嶋に伝わってると思ってたのに。

お互いに遊びだと思われてたなんて。


「……ちょっと待て」

「ひどいよ、水嶋……」
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