ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
暗い海の底で光に出会えた。

ラッキービーンズを子供のおまじないのようにただ握りしめて。

光を探すことすら諦めてたのに。


私を導いてくれた。



「もう自分をダメだなんて思うな」

「……うん」


温かい腕の中で彼を感じて。


耳元でお砂糖みたいに甘い台詞を水嶋が囁く。


最低のできごとだと思ってたあの朝からちゃんと。

人生最大のラッキーは続いてた。


おまじないを持ってるだけじゃ見えなかったし、手に入らなかった。


前を向いて自分を好きにならなくちゃ。

自分のことを好きになってくれる人だって目に入らなくなる。


顔を上げて前へと踏み出せばそこにはちゃんと幸せが待ってた。


私は笑顔で水嶋の言葉にうなずいた。

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