ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「だろ? これはこれで上手いよな? 店のとは別物って感じで」

「そうそう。缶コーヒーも別物だよね? 私、コーヒーは無糖派だけど缶コーヒーは甘いのが好き」

「だな。高校んときも日向はコーヒー牛乳よく飲んでたよな」

「すごい! よく覚えてるね」

「あの牛のキャラのパッケージがすごい印象残ってんだよな」


カウンターにもたれるようにして二人で笑い合うと、あっという間にあの頃へと空気が戻ってしまう。

数時間前は裸で抱き合ってたというのに。


……馴染んじゃいけない。


ハッと気づいて慌ててコーヒーを喉に流し込んだ。


「あつっ!」


勢いよくカップをあおったせいでコーヒーが零れてのどを伝った。

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