ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
タクシーはやがて渋滞を抜けて見慣れた道を滑らかに走る。
二人で乗り込んできたくせに一言も会話をしない私達に気を遣ってか、運転手さんも言葉を発しない。
不意に私の携帯が鳴った。
静寂に電子音が鳴り響いて、ドキッとしながら携帯を開くとさっき別れた八木原くんからのメールだった。
今日はとても楽しかったという内容でほどよくデコ文字も配列されたスマートな文章。
八木原くんは仕事も女の子を口説くのもソツがないんだろうと思った。
「八木原?」
それまで黙っていた水嶋が急に話しかけてきて、心臓がドキリと跳ねた。
水嶋がこっちを見ているなんて思いもしなかったから、携帯の画面は無防備に開いたままだった。
「う、うん」
「ふうん。アドレス交換したんだな」
「……」
二人で乗り込んできたくせに一言も会話をしない私達に気を遣ってか、運転手さんも言葉を発しない。
不意に私の携帯が鳴った。
静寂に電子音が鳴り響いて、ドキッとしながら携帯を開くとさっき別れた八木原くんからのメールだった。
今日はとても楽しかったという内容でほどよくデコ文字も配列されたスマートな文章。
八木原くんは仕事も女の子を口説くのもソツがないんだろうと思った。
「八木原?」
それまで黙っていた水嶋が急に話しかけてきて、心臓がドキリと跳ねた。
水嶋がこっちを見ているなんて思いもしなかったから、携帯の画面は無防備に開いたままだった。
「う、うん」
「ふうん。アドレス交換したんだな」
「……」