ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
私に合わせてくれていたはずの水嶋の足が止まる。

数歩歩いたところで私はそれに気づき、立ち止まって振り返った。


「……お前さ、」

「……」


ドキンとした。

日向って呼び捨てで呼ばれてたけど、お前呼ばわりされたことなんてなくて。

水嶋が怒っていることを感じてなんだか怖くなった。


「どうでもいいって思ってねえ?」

「……なにが?」

「合コンも週末も。全然楽しんでるように見えない」


キッパリと言われて私は意味が分からなくて目をパチパチさせた。


確かに合コンは乗り気じゃなかった。

週末だからって予定なんてない。


だけどなんでそれを水嶋に怒られなきゃいけないんだろう。

合コンを100%楽しめる女がタイプなんだろうか。
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