恋するカフ・リンクス

やっぱり傷だらけにしたから怒ってるのかな。

値段も高そうだったもんね。


そう思ってそっと顔をあげる。


彼はボタンを手にとってじっと見つめている。

あー。
ほらやっぱり。

さっさと返せばこんなことにならなかったのに。


彼に気づかれないように小さくため息つく。


「…いいよ、
持っておきたいならアンタにやる」

彼はそう言った。




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