子育てパニック






斗真がちゃんと寝たのを確認し、リビングで放置した子供の相手をするためにリビングに戻る。






「お、寝た?」



「もー、ぐっすり!」






リビングの大きな子供はどこから出したのか缶ビールを片手に新聞を読んでいた。





ほんと、ただの親父だな。






「缶ビールなんて、家にあった?」




「買って来た。斗真のジュースと一緒に彩乃のも冷蔵庫入れてる」




「ありがとう」






んじゃ、缶ビールいただきますか。







冷蔵庫から缶ビールとおつまみ用のチーズを取りだし、大和の隣に座る。





「お疲れ」



「ありがと」





乾杯して、私もビールを口に運ぶ。






「美味しいーっ!」



「おー!いい飲みっぷり」





大和を親父と言いつつ、私もこの飲み方、親父に近いものを感じてしまう…






「斗真友達できるか不安みたい」



「あー、まぁ不安だろうな。グループできてるだろうしな。」



「友達か。保育園のときのことなんて覚えてないけど、楽しかった気がするんだよね。」



「あぁ」



「だから、斗真にも…保育園楽しんでもらいたい。まぁ保育園に限らずだけど。」






斗真に聞けば、保育園も幼稚園も今まで行ったことなく友達も近所の1人や2人だったみたい。





まだまだ外を知らない斗真には、たくさんのことを知って、楽しんでもらいたい。





嫌な経験ばかりしてるのに、斗真から笑顔が消えてないのはすごい奇跡だと私は思ってる。





だから、だからこそ私は毎日が笑顔で溢れるように…斗真にたくさんのことをして欲しい。





目で見て、触って、感じて、そこからいろいろ考えて、成長して欲しい。





経験しなければわからないことがたくさんあるのだから。





そのための1歩が保育園だと思うんだ。






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