子育てパニック






徒歩20分かかる道を10分にしてギリギリ講義には間に合った







「彩乃ー!」



「……大和か。」




「つめてー反応。なに?愛しの彼氏が来たのに反応冷たいってまさか、俺が知らない間の倦怠期!?」






今は愛しの彼氏のあんたがうざくてしかたないのは倦怠期のせいなのかねー?







「今は大和に構えるくらいの体力ないの。可愛い彼女をいたわって…」




「可愛い彼女…?(笑)」






おい!にやつくな!






「で?本当に大丈夫か?」






最終的には隣に座り私の頭を撫でてくれいたわってくれる大和だから、少し照れた







「今ね、家に子供がいるの。」



「は?誰との子供!?」



「ばか!」







だから私はまだ出産経験はないの!







そして講義中に関わらず、大和に子供、斗真のいる理由は簡単に説明した。







「ってわけ。」




「斗真君だっけ?そいつ一人で大丈夫なのか?」




「大丈夫だよー。大丈夫って言ってたし。講義終わったら帰るし。」






あんな自信満々だったもん、大丈夫だよ。単位落とせないんだもん。








つーか、そもそも私に子育てなんて無理だし。





自分の子じゃないし、しかもまだ学生だし…はぁ、早く明日にならないかなー。






姉貴に合鍵なんて渡すんじゃなかったよ。






まあ正確には、勝手に姉貴が作って持ってるだけなんだけどね。






私ん家の合鍵持ってるの大和と姉貴だけなんだから姉貴の仕業ってすぐわかったはずなのに。







しかし、レポートの疲れと朝の事件でクタクタ…寝よう…







講義してくれてる先生の声を子守唄にし、隣にいる大和の手のぬくもりを感じながら私の意識は遠退いていった







< 6 / 57 >

この作品をシェア

pagetop