美女か野獣か
冬磨は、そう言って申し出てくれたけど…
実際…
私、今家出中なんだけど…
まぁそんな私の事情を知らない冬磨が悪い訳じゃないし…
って言うかむしろ、私の家出に何か意味があるんだろうか…
現在帰国している両親は、都内の高級ホテルに泊まっていて私がマンションを出たのを知るわけもなく…
むしろ知っていたらどんな手を使ってでも連れ戻されるのが落ちだ…
もしかしたら、今より自由が制限されて24時間監視されたりしちゃうかもしれない…
だったらいっその事大人しく家に戻るのが一番賢明な選択にも思える…
しばらく悩んだ私は、冬磨に送ってもらうことにした。
「じゃぁお願いしてもいいですか?」
私がそう言うと冬磨は「ちょっと待っててね?」と言って電話をし始めた。