美女か野獣か


凛斗は、まだ眠いのかあくびをすると私の腕を放し「俺も行く」と言って立ち上がりドアに向かって歩き出した。


どうやら眠りながら話しを聞いていたらしい…


冬磨も少し驚いた顔で凛斗を見ていたけどすぐにさっきまでの表情に戻り凛斗と私のためにドアを開けて待っていてくれた。


私は、少し嬉しかった。


あと少しだけ凛斗と一緒に居られる…


階段を降りるとさっきと同じメルセデスが停まっていて、助手席に冬磨が座り後部座席に私と凛斗…運転席には、行きと同じスーツの人が座っていた。


凛斗は、車に乗り込むと同時に腕を組みまた目をつむってしまった。


冬磨に家の場所を聞かれマンションの名前を教えるとすぐにわかったらしく「あそこかぁ~」と言って運転席の人に道を説明していた。

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