美女か野獣か
私がそう言うと男は「なら俺らと遊ぼーよ?この辺に居る女は、みんな野獣目当てだからキミみたいな子珍しいし」と言って私の腕を掴んだ。
私は、とっさにその腕を振りほどいた。
「あの…ごめんなさい。私用事があるんで…」
私がどんなに世間知らずでも知らない男にほいほいとついて行くほど馬鹿ではない。
でも男は、しつこく誘ってくる。
私は、思わず走って逃げ出した。
だって、めんどくさいんだもん!!!
全力で走った私は、いつの間にか路地裏に立っていた。
久しぶりに全力疾走したせいかなかなか呼吸が落ち着かない。
するといきなりガタンっと大きな音がして1人の男が現れた。
最初は、さっきの男が追いかけて来たのかと思ったけどよく見るとまったく違う男だった。
路地裏は、暗くハッキリとは見えないが身長が高く短めの髪は、アッシュブラウン…
かなりの美形…
でも…
彼の瞳は、ギラギラと怪しく光っていて…
そうまるで…
獲物を目の前にした獣のように…
彼は、野獣だ…