無人島殺人事件
「はい、承っております。これをもってゲートをお通り下さい」
オットーはジャポニカ中央センター第七号館、一時通行証と記載されたパスを受け取った。
オットーは小部屋を出て十メートルほど歩き、パスをかざしてゲートを通過した。
オットーはジャポニカ保健機構の地下一階に入った。
ジャポニカ保健機構の地下一階の通路は意外と狭く、薄暗かった。
通路を少し歩いてみると機構職員用の食堂があった。
三百席くらいあるのだろうか、かなり広い食堂だった。
別に空腹ではなかったが、時間もあるし、席も空いていたので何か食べてみることにした。
機構職員の食堂だからもっと安いメニューかと思ったが、五百ジャポ前後のメニューが多かった。
ジャポはジャポニカ共和国の通貨単位で、約四百ジャポがタバコ一箱の値段である。