無人島殺人事件
面接予定時間の三十分前になった。
オットーは椅子から立ち上がり、ゲートを通過してエレベーターホールへ向かった。
面接場所は三十四階、第一談話室というところだった。
三十四階に着き、薄暗い廊下をぐるりと歩いてまわった。
一人の女性から話しかけられた。
五十代くらいだろうか。
声が小さくて聞き取れない。
オットーは、おそらく、同じ求人に応募した人だと思った。
「15時30分からの面接の方ですか。私もそうなんです。面接場所は多分ここでいいと思います」
二人で廊下で待っていると、もう一人、五十代くらいの女性の方がきた。