窓を開けて

夜空を仰いだ


コーヒーの煙が

眼鏡を曇らせて

視界を塞ぐ


人は死んだら
星になっているというけれど

何億光年も離れた
星になったと
言われたって

…慰めにも
ならないね…


外の寒気で

視界が鮮明になってゆく…


コーヒーは冷めて
飲めたものじゃない


窓を閉じる


あたしの涙が零れたとき

この狭い街に星が降り注いだように見えたのは

…きっと気のせいだ。

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