コイザクラ―初恋―
「名前・・・なんですか?」
ビデオに音が入らないように、俺をとらえたまま小さな声でたずねる。
「・・・伊折」
「下は?」
「祥真」
「しょうま・・・くんです」
ちょっと待ってってば。
「え、あ・・・っ!ごめんなさい!あたし・・・あの・・ごめんなさい」
一気に瞳に涙が浮かぶ。
「あ・・ううん、大丈夫だよ」
泣くなってば。何が何だか分からなすぎる。
「え・・良かったぁー!ありがとうございます」
「それじゃあ、これからもよろしくお願いします」
え、そっちの方向?!

・・・まぁいいや。
きっと、長くは続かないだろ。
それに俺・・なんか、こいつのこと知りたくなってきた。
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