コイザクラ―初恋―
「名前、“杏”っていうの?」
自分のこと、“杏”っていうところからも、俺は幼くとらえたのかもしれない。
「いえ、杏樹・・・」
「あんじゅ?」
「うん、夏宮杏樹」
「あんじゅ・・・、珍しい名前だね」
ずいぶんと凝った親なんだろうな。
「・・・はい」
なぜか少し悲しそうに笑った気がした。
あ、女子ってそういうのも敏感なんだっけ。
最近女子となんてかかわってないから。
関わりたくないから・・・だけど。
「それじゃあ、私はここで曲がります」
「・・・あぁ」
毎日、並木道の最後を迎えずに、最後から2番目の路地で曲がる。
自分のこと、“杏”っていうところからも、俺は幼くとらえたのかもしれない。
「いえ、杏樹・・・」
「あんじゅ?」
「うん、夏宮杏樹」
「あんじゅ・・・、珍しい名前だね」
ずいぶんと凝った親なんだろうな。
「・・・はい」
なぜか少し悲しそうに笑った気がした。
あ、女子ってそういうのも敏感なんだっけ。
最近女子となんてかかわってないから。
関わりたくないから・・・だけど。
「それじゃあ、私はここで曲がります」
「・・・あぁ」
毎日、並木道の最後を迎えずに、最後から2番目の路地で曲がる。