私って最強じゃない!?2
沙「両親なんてもの、私には居ないも同然だった。家なんか無いも同然だった。遊んで暴れて。兄貴だけが私をわかってくれてた。」
ケガして入院したとき。暴れて保護されてたとき。
誰も来ないのに兄貴は何があっても駆けつけてくれた。
沙「でもあの頃はひねくれてたからさ。感謝なんか考えても出てこない頭で。突き放して…。それでも嬉しかった」
私の凍り付いた心は溶けなかったけど、少しだけ温かくて。くすぐったくて。
沙「その唯一の理解者も、うちから居なくなった。それからは今まで以上に暴れて。そんなときあるおっさんに出会った。」
―――
「まったく、そんなに暴れても欲しいもんなんか手に入んないぞ。」
沙「んだ、てめー!」
「まあまあ。君くらい強いならそれをいいほうに使ってみないか?」
沙「何がいーてーんだ?訳わかんねーこと言ってんじゃねーよ」
「これ。渡しておくよ。気が向いたらここの…。いや私のケータイにかけてくるといい。」
沙「ぞく…潰しか。」
「よく知ってるね。まあ、気が向いたらでいいよ」