手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
【M】雨に負けない叫び
喫茶店にママたちが来ると、さっきまで晴れてた空が、嘘のように暗くなってた。
私の隣に移動して来た空さんは、「バイクで出掛けたりしてねぇよな…あの馬鹿息子」と、海さんに問い掛けた。
いつだったか、夜中にパパとママが話してた会話を思い出した。
トイレに行こうと目を覚ました時、ベッドの上で私を挟んで座り、空さんが取引先の2人とツーリングに行った際、雷雨に巻き込まれて、1人がスリップして、通りがかったトラックに轢かれて亡くなったんだ。
まだ免許を取って1年も立ってないとか。
海都はまだ2ヶ月が経ったか経たないか。