手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
海都の命が危険に晒されたら、私が代わりに死んでも良い?

海都にもしもの事があったら、私も死んでも良い?

…本当に、大好きなの。



「…命がなければ、人を幸せになんて出来ない。俺は、そう思うけど」



また、私の顔に何か書いてあったのかな?

心を見透かされてる気がするのは、私だけなのかな。

沈黙の車内は、雨音しか響かない。

“命がなければ、人を幸せになんて出来ない”―…。

でも。

海都が私の前から消えたら?

私を誰が幸せにしてくれる?

贅沢を言わなければ、居てくれれば良い。

彼女になれただけでも、幸せは感じた。
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