手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
まだまだ子供だと思われても良いよ。

でも、好きな人が幸せなら良いんだと、思えるよ。

パパやママ。

海さんや空さんに会えなくなったら寂しいけど。

それでも私には―――……。



「「「萌――ッ゛!!」」」



家の前に着いたと同時に、体が勝手に動き、車を飛び出した。

宛てもなく、どしゃ降りの雨の中を走る。

サンダルの為、すぐに足はベタベタ。

下着まで濡れてしまい、気持ちが悪い。



「海都…海都ー…!」



名前を呼びながら、前に見掛けた場所などを捜す。

誰かに溜まりやすい場所を訊こうにも、こんな足の中、歩いてる人なんて居ない。
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