手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
背伸びして見せたわりには、極端だ。

ギャルになり切れないだけだ。

けど、今までとは違う目線で、可愛いと思った。

妹としてではない。

俺だけが見て居たいという可愛さだった。



「向こうで空さんが車を停めて待ってるから行こう?」



「ん。親父は怒らすと、ヤバいしな」

           …―――



メグも親父もお袋も、俺の自慢だった。

親父は頭も良くて、カッコいいし。

母親も美人で、ダチの母親より若いのに、しっかりしてて。

でも、親父との関係を、区役所で知って、ショックだった。

原付の免許が欲しかっただけ。

ただそれだけで、母親まで許せなかった。
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